韓国を考えてみる。「工作」
日韓関係がぎくしゃくしている。
ボタンの掛け違いという見解もあるが、両政府はボタンを掛けようともしていない。レーダー照射、徴用工、慰安婦・・・。ホワイト国うんぬんは報復ではないと言っているが、ま、対抗策だろうな。
徴用工問題では日本は謝れと主張する声があがっているが、日本からすればおかしな見解に映る。日本は何度も謝ってきた。韓国の多くの人はそれを知らないのだろうか。いや、日本人すら何度も謝罪してきたことを忘れている。
謝罪の代表は村山談話である。戦後50年、村山総理大臣の演説。主として周辺諸国へのお詫び。談話は閣議決定され、その後の小泉総理もそれを踏襲している。
村山談話がマスコミに採り上げられることは最近では少ない。なぜきちんと伝えないのか。日本政府は何度も詫びを言いたくないと思っているからだろうか。
韓国政府もおかしい。きちんと受け止めていない。知っているけど対立したままで騒いだ方が政府の支持率が高くなるから何も言わないのか。
「工作 黒金星と呼ばれた男」をシネマート新宿(韓国映画の常設館)で観てきた。ウィークデーでも観客は多かった。
北に潜入した工作員(スパイ)の話である。1992年、北朝鮮の核開発の実態を探るよう国家安全企画部はパク・ソギョン(ファン・ジョンミン)を工作員に仕立て上げる。軍人である過去を徹底的に消し去ったのち、セールスマンとして北に渡る。対外交渉を握る人物に取り入って信頼を得る。北の観光地でコマーシャルを作るという計画(ロケハンを通じて核開発の状況を探るという意図が隠されている)を伝える。北にとっては外貨稼ぎになるわけで、ついには最高権力者の金正日にも面談する。この面談のシーンがおもしろい。権力者との接見はこんなふうに行われるのかと思わず身を乗り出してしまった、金正日役はそれほど似てなかったけど・・・。偽の青磁を金正日自身が売りつけるシーンもある。外貨稼ぎだ。
北が騒動を起こし、非武装地帯に砲撃を加えたりすると南北の緊張は高まる。実はこの砲撃はやらせであって、北に多額の金を渡し、砲撃してもらうことで南の世論を操作するという意図があった。97年の大統領選では、容共路線の金大中候補が当選すれば国家安全企画部はつぶされてしまう。企画部はふたたび対立をあおるような砲撃を北に申し入れる。もし北が砲撃すれば世論は一挙に金大中から離れる。で、結果はどうだったかというと、砲撃はされず、金大中は当選してしまう。
このあたりまでの細部となるとよくわからない。もう一度観直してもわからないかもしれない。そうではあるが、映画はおもしろい。緊迫したシーンが続く。映画の技法もうまい。一級のスパイ映画になっている。機会があれば観てほしい。
ドンパチのシーンはほとんどない。ピストルひとつ撃たない。そのかわり、北の餓死者の実態などが映し出される。
先に戻って、昨今の反日感情とその対応、どうなるのか。話し合い?
終戦記念日あたって安倍総理は談話を発表する。どんな内容になるのか。注目したい。
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