「女殺油地獄」
落語で若旦那といえば放蕩者と相場が決まっている。仕事に打ち込まず、吉原通いが日常で、いずれ勘当となる。「船徳」がその代表。たまにまじめで女遊びなどほど遠い若旦那もいるが、いったん吉原に引きずり込まれれば、あすはどうなるか、「明烏」の例もある。
落語なら明るい噺となるが、芝居(歌舞伎)となると、これが悲劇となる。遊女惚れ込んで、ついには地獄沙汰となる。
シネマ歌舞伎「女殺油地獄」を観てきた。近松の演目である。
大阪天満の油屋の若旦那・与兵衛は放蕩に明けくれ、金を持ち出し、さらには借金を重ねる。にっちもさっちもいかなくなり、首も知恵も回らず、ついには、同業の豊島屋の女房お吉を殺して金を奪うというストーリーである。
甘やかしが毒となったのだが、親が子を思う気持ちが切々と描かれている。そのあたりが観客の心を揺さぶる。油まみれの修羅場がみどころ。
与兵衛を演じるのは松本幸四郎(ちょっと前までは染五郎)。シネマ歌舞伎だけにアップの表情が映し出される。悪事をたくらむ目の表情がいかにも、である。
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