黒人奴隷 400年の歴史
アメリカの一部の教科書に、黒人はアフリカから移民労働者としてアメリカにやってきたと記述するものがあると、ワイズマンの「ニューヨーク公共図書館」で知った。奴隷じゃなくて移民ではずいぶん印象が違う。歴史をゆがめている。ま、歴史を都合よくゆがめた教科書はどの国にもあるけれど、それはさておいて。
アフリカから初めて黒人が奴隷としてアメリカに連れてこられたのは1619年8月だそうだ。ちょうど4百年前になる。日本だと家康が亡くなり二代将軍秀忠の時代になった頃だ。
奴隷制度をめぐって南北戦争が起きたのは1861年。その翌年がリンカーンによる奴隷解放宣言である。250年ぐらい奴隷として扱われたことになる。しかし、奴隷の実態が変わったわけではない。その後も差別はずっと続いた。
黒人奴隷と言えば、綿花を摘むシーンを思い浮かべるが、それは労働のひとつにすぎない。摘まれた綿花は糸にされ、織られて縫製される。その過程でも主要な労働力となった。産業革命以後、紡績工場はフル操業となり、夜間も操業された。電球はまだない。エジソンが電球を発明したのは19世紀末。その間はランプだった。灯し油は鯨油。北アメリカで石油が発掘されるまでは鯨油が主な灯りの原料だった。
徳川時代の後期、日本近海にクジラのあぶらを求めてアメリカの捕鯨船が頻繁にやってきたのはご存知だろう。それが幕末の開国につながった。
アメリカの教科書の話題から、黒人奴隷の歴史をちょいと振り返ってみた。過酷な長時間労働を強いられたのは産業革命下のヨーロッパだけでなく、アメリカもそうだった。
ところで、アメリカの新20ドル札の肖像画(写真)が黒人女性になると発表されていたが、新札の発行が延期されることになった。理由は不明。取り消しになったわけではない。
その女性はハリエット・タブマン。奴隷解放に尽力した。奴隷制のある南部から北部に逃れたが、南部に戻って黒人奴隷の北部への脱走に力を尽くした。
ネットを見ていたら、新札の想像図が載っていたので、転載してみた。
ところで、クンタ・キンテって、知ってる? 知らないか。ま、知らなくてもいいや。
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