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2019年12月28日 (土)

『危機と人類』(上下) ジャレド・ダイアモンド

 ジャレド・ダイアモンド博士の『銃・病原菌・鉄』は目からうろこが落ちるようなエキサイティングな本だった。

 ニューギニア人からの「なぜ西洋に文明は発達したのか」という問いかけに答える形で書かれた本である。

  西欧人は生来知性高かったわけではない。たまたま家畜にできる野生動物(馬、牛、羊、山羊、豚など)がおり、農耕可能な野生植物が繁殖していた。それが農業発展に寄与し、文明をつくり上げることになった。また同じ温暖な気候が東西に広がっていたため、家畜や農業を広めることができた。ひとことでいうと、そんなところか。

 表題の「銃、病原菌、鉄」は、ピサロ(スペイン)が南米ペルーをいともたやすく征服してしまったという歴史のキイワードである。騎馬と銃を駆使し、また病原菌(天然痘。南米人は免疫力がなかった)をばらまいて、わずかな人数で征服してしまった。

 なるほど、そうだったのかと納得する。

  読んでおられないならぜひご一読を!

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  それ以降、いくつもの著作がある。『危機と人類』(上下)は今年出版されたもの。少しずつ読んだ。『銃・病原菌・鉄』は ジャンルでいうと文化人類学に属する本だが、こっちは政治学とか地政学にかかわっている。現代から将来に向けての論評である。

 表題の「危機」は国家的危機であるが、個人的な危機のアナロジーとして紹介されている。妥当かどうかは疑問に思う部分はあるけれど、それはさておいて、7つの国についての近代史である。国家的危機をどう乗り越えてきたか、そして近未来はどうなっていくか。

 表紙裏の紹介文がある。的確なのでその部分をコピーしておく。

 ペリー来航で開国を迫られた日本、ソ連に侵攻されたフィンランド、軍事クーデターとピノチェトの独裁政権に苦しんだチリ、クーデター失敗と大量虐殺を経験したインドネシア、東西分断とナチスの負の遺産に向き合ったドイツ、白豪主義の放棄とナショナル・アイデンティティの危機に直面したオーストラリア、そして現在進行中の危機に直面するアメリカと日本・・・。

 国家的危機に直面した各国国民は、いかにして変革を選び取り、繁栄への道を進むことができたのか? ジャレド・ダイアモンド博士が、世界7カ国事例等、次の劇的変化を乗り越えるための叡智を解き明かす!

 これに尽きちゃうんだけど、それだけでは味気ない。日本の部分だけをもう少し解説しておこう。

 長くなるので、次回か次々回で。

   ついでのひとこと

 今週の「週刊文春」に、ジャレド・ダイアモンド博士と池上彰さんの対談が載っている。

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