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2019年12月21日 (土)

「カツベン!」

 かつて映画はサイレントだった。ストーリーを補うため、日本では活弁(活動弁士)付きで上映された。今で言うなら声優だろう。たくさんの活弁がいたが、昭和になり、トーキー(サウンド付き)が出現して、活弁は急速に衰退していった。

 私がものごころをついたころはもちろん無声映画の時代は終わっていた。ただ、残滓と呼べるようなものはあった。弁士の口調がときどきラジオで流れた。耳に残っている。

春や春 春南方のローマンス」とか「花のパリーかロンドンか。鳴いて血を吐くほととぎす」。こんな感じだったかな。

 絶滅状態にあったが、いまでも弁士付きで上映されることもある。「しんゆり映画祭」でも何回か上映した。弁士は澤登碧さん。今年の、野外上映会(西生田小学校校庭)ではチャップリンのサイレン映画を二人の弁士つきで上映した。

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  公開となった周防正行監督の「カツベン!」は今から100年ほど前、大正時代の活動弁士たちを描いた映画である。かなり凝って大正時代の雰囲気を醸し出している。

 ストーンウォシュ・ムービー。完全セピア色ではないけれど古くさく映像処理をしている。

 活動弁士志望の俊太郎(成田凌)はニセ弁士としてドサ回りをしていた。盗人の手先もしていた。そこから逃げ出すが、持ち出した鞄には大金が詰まっていた。それから騒動に巻き込まれることになった。

 映画はたわいもないドタバタ劇である。

 周防監督作品では「ファンシイダンス」がいちばん好きだな。あの軽くてしゃれた雰囲気が気に入っている。

  ついでのひとこと 

映画を楽団や弁士つきで上映するのは、ずいぶんぜいたくなことである。

 川崎アートセンターでは、2月15日(土)に澤登翠さんによる活弁付き上映を予定している。

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