「1917 命をかけた伝令」
今年、アカデミー撮影賞をとったのが「1917 命をかけた伝令」。さっそく観てきた。全編ワンカットのように映像化している。
全編ワンカットをフィルムで撮った映画にヒッチコックの「裏窓」がある。あれは背中のアップのカットでワンシーンを終え、続くカットは背中のアップから始める。そうすると画面はシームレスにつながっているように見える。現在のデジタル技術があれば、フィルムほどには苦労することはないけれど、わざわざやることに意義がある。ちかごろの映画は短いカットでつなげていくものが多い。その方が緊迫感を出せるからである。ちょっと安易。そういう映画への皮肉でもある。
第一次大戦中のフランスとドイツの国境あたり。熾烈な塹壕戦が続いていた。ドイツ軍は後退するが、それは罠だった。いったん引いて敵を待ちかまえ殲滅させる作戦だった。航空写真でそれがわかった。攻め入れば部隊は全滅する。最前線の軍に伝えなければならないが、電話線が切断されていて、伝令を走らせるしかない。二人の兵士が選ばれ、攻撃中止・撤退の伝令を命じられる。といったストーリーである。
カメラは手持ちで長回し。揺れる画面、パン(画面の移動)が多い。それが臨場感あふれる映像となっている。ドキュメンタリーの映像のようでもあり、コンピューターゲーム(敵の攻撃を避けながら走り回る戦闘ゲーム)のようでもある。迫力あふれる映画になっている。眼が疲れるけどね。
サウンド、音楽もいい。これはぜひ映画館で観ていただきたい
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