「誓いの休暇」 シネマヴェーラの感染予防策
いま、渋谷のシネマヴェーラでソビエトとジョージア映画の特集をやっている。そのなかで「誓いの休暇」を見つけた。1959年の作品。大学時代、50年以上前だがどこかの名画座で観た記憶がある。細部は忘れてしまったが、みずみずしい青春映画(戦争映画だが)という印象が残っている。
ソビエトは、ロシア帝政時代から文化芸術のレベルは高かった。映画にもいくつものすぐれた作品があった。
この時期、じみな映画だからガラガラかと思っていたら、とんでもない。わたしのような高齢者で混雑していた。トイレの注意書きがおかしかった。お節介であるが、ま、指をなめるというのはロージンの行動に多い。皮膚に湿り気はないからね。
ストーリーは単純でわかりやすい。冒頭で結末が明かされる。真犯人逮捕をプロローグにもってくるような倒置法の推理ドラマと同じ構成になっている。「刑事コロンボ」のように。
通信兵のアリョーシャ(19歳)は敵の戦車2台を偶然手にした対戦車用のライフル(小型ロケット砲)で撃破する。その功で6日間の帰郷休暇を貰う。帰郷はロシア語でダモイと言う。この表現がよく出てくる。日本ではシベリア抑留者の帰還をそう呼んだ、ということはどうでもいいが、帰郷の道のりは遠い。列車は乗り継ぎがうまくいかなかったり、空襲されたり、さらに傷痍軍人につきあったりして帰省の道は大幅に遅れる。アリョーシャは軍事物資を運ぶ貨物列車の中で少女と出会う。恋心を抱く。途中彼女とはぐれたりするのだが、なんとか再会できた。
帰郷の途中で見知らぬ兵隊から妻へのメッセージと石鹸を託されていた。なんとか苦労してその兵隊の妻のもとを訪れるのだが、妻は別の男と出来ていた。渡した石鹸を取り戻し、兵隊の父親の元に出向いて兵隊の無事を伝える。
難儀をのりこえて母親とつかの間の再会を果たすことはできた。しかしただちに帰還しなければならない。これが冒頭のシーンへとつながる。
反戦を強く訴えてはいない。しかし強烈な反戦映画である。それと同時に、少女との淡い恋は青春映画そのものである。白黒画面の少女の姿が初々しい。
戦争は、理不尽で残酷なんだよね。
チケットを咥えて小便をすることはよくある。やめよう。
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