こしらの了見
緊急事態宣言を受けてネットカフェも閉鎖要請の対象となった。まっさきに思い浮かべたのは、立川流、志らく門下の真打、立川こしらである。。
特定の住居はもたずネットカフェを主なねぐらにしている。衣装などはレンタル倉庫に放り込んでおき、リュックサック一つで全国を回っている。洗濯はコインランドリー。スマホがあればたいていのことは済ませることができるという。
けっこう人気があって、一之輔ぐらいに忙しい。ただし落語会の動員数は十分の一ぐらいか。
落語はだいぶ上手くなったが、ま、下手な部類だろうな。ただしマクラは抜群におもしろい。小三治なみ。ファンも多い。東海林さだおさんもご贔屓で、真打披露のときに作った手ぬぐいは東海林さんがデザインしたもの。タダで作ってもらった。
で、ネットカフェ。そこに住めないとなると安ホテルに宿泊することになったのか。現在の詳細は知らない。
ヤツは金には抜け目ない男で、商売熱心、小銭稼ぎは上手い。ネットカフェ難民になった事情もちゃっかりマクラに取り込んで観客を沸かせているにちがいない。副業も。
「新ニッポンの話芸」というポッドキャストがある。鈴々舎馬るこ、三遊亭萬橘、こしら、そして評論家の広瀬和生の4人のトーク番組である。最近のものを聞いてみると、落語会が休みとなる中、こしらはネットで落語配信をしているという。一方的な配信ではなく、テレビ会議のようなものにし、観客の顔や笑い声も伝わるようになっている。
ネット落語は投げ銭方式でやっている。それなりの実入りとなっている。
こしらは銭稼ぎがうまい。風来坊はこうやって生きていく。
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