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2020年4月 4日 (土)

 「彼らは生きていた」

 第一次大戦というとまず思い浮かべるのは塹壕戦。熾烈な戦場となり、多くの若者が戦死した。タンク(戦車)も毒ガス兵器も登場した。騎馬も多く、大量の馬も犠牲になった。戦争末期にはスペイン風邪(新型コロナウイルスより死亡率が高かった)が流行し、結果として戦争終結を早めた。
 映画なら「西部戦線異状なし」とかスピルバークの「戦火の馬」。今年になって観た「1917 命をかけた伝令」もそうだ。

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 その第一次大戦のドキュメンタリーフィルムを編集した「彼らは生きていた」を川崎市アートセンターで観てきた。
 膨大な量のフィルムを編集してそれをカラーリングした(全部ではないが)ということだ。どんな風に仕上がっているのか。
 描かれるのは塹壕戦である。泥だらけの塹壕、衛生状態は最悪、食料は少ない。砲撃の結果、犠牲が出る。馬と人の死骸。それに蠅がたかり、太ったネズミが駆け回る。この残酷な映像はテレビではカットされるかボカされるだろう。気分が悪くなる。
  音声は退役軍人たちの回想で構成されている。
 そして突撃。大量の兵士が傷つき、死ぬ。敵も同様。捕虜となったドイツ兵は十代の若者が多い。敵対心はもはやない。ノーサイドである。
 戦闘シーンは「命をかけた伝令」より迫力がある。
 真っ正面から戦争の最前線を描いている。
戦争では命なんか無価値だ」と吐き捨てるような軍人の声が耳に残った。
 第一次大戦は残酷でばかな戦争であった。それから20数年後、人類はそれを上回る残酷で悲惨な戦争を繰り返すことになった。
 機会があれば、覚悟して観てほしい。いい映画だ。  
 ついでのひとこと
今日の夕方「となりのシムラ」の再放送がある。追悼番組である。わたしはこの番組が好きだった。
50を過ぎた中間管理職が主人公。部下から一見慕われているようだが実は軽く見られている。その存在感のなさがわかるというのがオチになっている。シムラさんの表情が何とも可笑しい。ヒクヒク笑いながら見ていた。ビデオ録画しておこう。

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