「レ・ミゼラブル」 パリ郊外の街
川崎市アートセンターが再開された。ようやくである。
100席規模のミニシアターだが、それを半分に減らしている。どのぐらい埋まるかと思っていたら、20人に達しない入りだった。こんなものか。
観たのは「レ・ミゼラブル」。ジャン・バルジャンやコレットが登場するアレではない。現代の話。
なぜ「レ・ミゼラブル」というタイトルかというと、舞台となるのは、モンフェルメイユ。その名に記憶はないけれど、コレットの母親が住んでいた貧民窟である。今も似たようなスラムの街になっている。アフリカ系移民など低所得層の人たちが住んでいる。
警察は治安維持、犯罪防止のパトロールを続けている。ライオンの仔が盗まれたという通報があり、三人の警官が捜査を始める。どうやら黒人の少年が盗んだらしい。少年を取り調べようとするとその仲間が妨害する。そして事件が起きる。警官がゴム弾を放つと少年に当たってしまったのだ。これをきっかけにスラム内の対立が顕在化する。警官は事件を隠蔽しようとする。警官たちはトラブルが拡大しないよう押さえ込むのだが、事態は思いがけない方向に展開していく。
誰が悪いか、そりゃ悪いけどやりすぎだろう、どちらが悪いか、責任は誰がとるのか、正義はどこにあるのか・・・わからない。格差や差別は複雑である。
三人の警官の性格づけがおもしろい。それぞれキャラが違う。転勤してこの地区をパトロールするようになったステファンの冷静さが印象に残る。
この映画のタイトルを「レ・ミゼラブル」とした理由が最後になってわかる。ビクトル・ユーゴのメッセージが流れる。
それ、なに? それは観てのお楽しみ。
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