「墓にツバをかけろ」 人種ということば
むかし、60年ほど前、「墓にツバをかけろ」という映画があった。ボリス・ヴィアン原作。主題歌の「褐色のブルース」は映画以上にヒットした。ハーモニカが奏でる押し殺したようなメロディが印象に残っている。
黒人の、ただしくは混血の少年がリンチに遭って殺される。その兄が復讐するというストーリーである。
4、5日前の朝日新聞に黒人差別を扱った記事を見て、古い映画を思い出したのだ。黒人と白人の間に生まれた褐色の肌をした少年は、白人家庭の養子として育てられた。弟がいた。こちらは白人。兄は運動神経がよく野球選手になったが、肩を壊して別の職に就いた。弟は学力抜群で研究者となった。兄は警官からしばしば尋問を受けた。ちょっとした交通違反で拘束されることもあった。弟はそんな扱いを受けることはなかった。黒人差別が厳然としてあった。そんな記事である。
映画の方は、弟は褐色の肌をしていたが、兄は見た目は白人であった。二人とも混血であるが見た目は違う。その差が映画のみどころでもあった。細かなことは記憶の彼方に消え去ってしまったが、兄が混血であることは、手でわかる。指先が黒い。それが恋人にも知られる。
黒人差別社会の中で、混血という立場はどうなるか、どんな風に生きていくのがよいか、いま差別問題で揺れるなか、いろいろなことが頭をよぎった。
人種差別反対運動の広がりの中で、今回は、歴史問題にも深く切り込んでいるところが興味深い。
さらに、人種ということば自体が差別的だという声が挙がっているのもこころに残る。
写真は、ベランダのシクラメン。まだ咲いている。
コロナウイルスは終息しそうにないが、こっちもしぶとく咲いている。
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