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2020年7月20日 (月)

 天女の舞い

 クラゲブームが続いている。

 池袋のサンシャイン水族館では大きなアーチ状になったクラゲの水槽をつくった。スカイツリーにあるすみだ水族館も巨大水槽でのミズクラゲの展示を始めた。京都でも同じようなものができた。いずれも人気スポットになることは間違いない。

 クラゲに魅せられるようになったのはハワイ。以前紹介したことがあるが、ワイキキビーチのはずれに小さな水族館があった。入場料はたったの1ドル。ま、そのくらい小さな施設である。1メートル四方ほどの水槽にたった1匹のクラゲが泳いでいた。名前は知らない。足(触手)の長いクラゲが悠然とたゆたっていた。天女の舞いだった。

 呆然として眺めていた。クラゲがこんなにも美しいものかとしばしその場を動くことはできなかった。以後、クラゲファンとなった。30年ぐらい前のことだ。

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 その後、鶴岡の加茂水族館がクラゲの展示でいちやく有名になった。加茂水族館には三回行った。旧館に二回、新館になってから一回。素晴らしいクラゲの展示だった。

 各地の水族館にしばしば出かけているが、水族館の良し悪しはクラゲの展示で決まる。タイが泳いでいようがイルカがいようが関係ない。クラゲ展示のない、あるいは少ない水族館は価値がない。身勝手な評価かもしれないが、そう思うのだから、いたしかたない。

 クラゲをぼんやり眺める。真剣に観察するようには見ない。これがいい。ボーっと生きてんじゃねーよとチコちゃんに叱られようが、関係ない。

 人生には、ボーっとする時間がいる。一日のうち一時間ぐらいはぼんやりしていたい。独りひきこもりの時間は大切である。

 クラゲの前ならボーっとできる。天女の舞いならさらによい。

で、サンシャインやスミダに出かけてみたいのだが、この夏はやめておいたほうがよさそうだ。混雑するに違いない。マスクをしたままでのクラゲ鑑賞ではおもしろくない。

 江ノ島の水族館でもいい。ここはクラゲの展示が充実している。

でも、藤沢市長は江の島には来るなと言っている。

 

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