「新明解国語辞典 第八版」 まもなく発売
「新明解国語辞典」の新たな改訂版がでるというチラシを見つけた。
9年ぶりの改訂になる。
チラシには新たに採録された用語の一部が載っている。
「ほぼほぼ」。昔からあることばじゃないかと思うが、初めての採録らしい。たしかに「ほぼ」と言っていたものが「ほぼほぼと重ねる使い方を多く耳にするようになっている。
ほぼとほぼほぼではどう違うのか。強調か、それとも流行か、よくはわからない。
その語釈。(辞書では、ほぼほぼの部分は――になっている)
問題となる事柄に関して、完璧だというわけにはいかないが、細かい点を除けば、その人なりに全体にわたって妥当だと判断されるという様子。「工事はほぼほぼ予定通りに進んでいる/不正融資のからくりがほぼほぼ明るみに出された」
問題となる事柄とか、その人なりにという表現は気になるけれど、ほぼそれでよいいと思う。用例に不正融資をもってくるのもユーモアがあってよい。
では「ほぼ」はどうなっているか。これは新しい第八版をみないとわからない。
第七版では「ほぼほぼ」はない。「ほぼ」はある。
細かい点はともかく、大体においてそうであると判断される様子。「会場はほぼ満員だ/事件の全体がほぼ明らかになった/ほぼ時を同じくして」
さかのぼって初版(昭和47年1月発行 ほぼ半世紀前)はどうなっているか。
おおかた。大体。⇔すっかり・ちょうど〔略〃・大略・粗などと書く〕
初版の語釈はあっけない。版を重ねるにつれ妥当な語釈となっている。進化というべきか。
進化している。(第三版以降は「ほぼ時を同じくして」を用例としている)
「三省堂国語辞典」では「ほぼ」の項目で、俗な表現としてほぼほぼについて触れている。
俗に重ねて使う。「ほぼほぼ完走」
写真は初版から第七版をならべたもの。これに第八版が加わることになる
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