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2020年11月11日 (水)

『保守主義とは何か』 宇野重規さんの著作

 歳をとるにつれ、考えが保守的になる。 

 右にせよ左にせよ、急激な変革は好まない。

 人間の能力には限界がある。しばしば過つ。手探りで試行錯誤しながら進めば誤りは少ない。それを経験で学んできた。ラジカルは危ういと思うようになっている。

 宇野重規さんの『保守主義とは何か』を読んだ。宇野さんは日本学術会議で任命されなかった6人の内のひとりである。

 保守主義の誕生をフランス革命から説き起こす。革命の急進派への対抗として生まれた。サブタイトルは「反フランス革命から現代日本まで」。アメリカそして日本の保守主義について解説したものである。保守と言ってもさまざまである。そのあたりをわかりやすく解説している。公正な目で保守を捉えている。どうして菅さんが任命しなかったかわけがわからない。チョンボ。政権の勇み足だな。

 保守主義は反民主ではない。自由と民主が基本にある近代的な思想である。本書ではリバタリアン(リバタリアリズム)について少し触れた部分がある。個人の自由を重んじる思想である。

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 わたしが学生だったころは、リバタリアンといえば左よりの考えをもつ人を指していた。絶対自由を求めるアナキズムと近かった。それがいつのまにかというかアメリカでは伝統的な保守思想とされることが多くなった。リベラリズムと同義的に使われてきたようにも思う。日本でリベラルといえばやや左よりの思想を指す。さらにリベラル保守という立場もある。

 *リベラリズムとリバタリアリズムは似ているようで違う。前者は税の再分配や格差是正を重視するのに対し、後者はそれを認めない。逆にリベラリズムを前者とする意見もあるからややこしい。ま、ふたつの潮流があると考えればよい。

 アメリカの保守主義の基本は自由と民主である。イギリスの重税に反発したティーパーティ事件が独立戦争の発端となった。アメリカの政治もそこから始まった。

 アメリカ保守派の考えはわかりやすい。国家は防衛や治安に重きを置く、社会福祉といったことには金をかけず税金を安くする。対外的には非干渉(モンロー主義)であることを国是としてきた。

 それが変わったのは第二次大戦後である。ベトナム戦争の後、しばらく時を置いて、ネオコンという思想がでてきた。ネオコンってなによと思ったのを覚えている。アメリカは世界の警察といわれた時期がある。モンロー主義からの転換である。それがベトナムからの撤退でひっこんでいたものが、イラク戦争でよみがえった。(その前にソ連のアフガニスタン撤退などがあるが、ここでは触れない)、もう一度、世界の警察たらんとした。それがネオコンである。トランプ大統領の補佐官だったボルトンがその代表。トランプはどっちかというと旧来の保守思想に近い。アフガン、シリアなどから撤退しようとしていた(金がかかるのはイヤだというトランプ流の経済観念がある)。だからボルトンを首にした。

 バイデンはどんな政策をとるのか。よくわからない。そういったことは専門家にお任せする。こっちは外野の片隅でぼんやりしているだけ。すみっこジイチャンだ。

 さて、日本の保守であるが、枝葉をそぎ落とし簡単にいえば、宏池会系と清和会系に二分できる。再軍備をめぐる吉田茂の考え、軽い武装・経済国家の構想である。この考えは池田勇人、大平正芳と宏池会で引き継がれてきた。もう一つは鳩山一郎、岸信介、福田赳夫の再軍備の考えである。清和会、安倍晋三の立ち位置もそこにある。

 いま、宏池会は元気がない。安倍長期政権によって押さえつけられてきた。菅さんは無派閥だが、清和会に近い。安倍さんの下で働いていたからね。

 といったことを書き出すときりがない。

 宇野さんは公正に書いている。でも、行間からうっすらとその考えが見えてくる。わたしの深読みかもしれないけど、宇野さんは宏池会に好意的のように見える。だから、安倍・菅首相からすれば気に入らない人物と映っているのかもしれない。 

 

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