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2021年3月18日 (木)

「天国にちがいない」

 イスラエルのワクチン接種は素早かった。対象者の50パーセント以上がすでに接種済みという。もたもたする日本とは比べようもなく先を行っている。ただし、対象者にガザなど占拠地域の人はカウントされていないという。そのあたりどうなっているのだろうか。

 アートセンターで「天国にちがいない」を観てきた。イスラエルに住むパレスチナ人のエリア・スレイマンが主演。脚本、監督もスレイマンである。

Dsc_1969

 スレイマンは、パレスチナ人を描く映画の企画をフランスに持ち込むが、地味な内容を理由に体よく断られる。続いてニューヨークにも行く。

 その前に、イスラエルのナザレでの暮らし振りが描かれる。スレイマンはたぶんキリスト教徒だろう。冒頭は教会のシーンだが、これが珍妙。神父は暴力的である。

隣人とのやりとり、村人との会話。かみ合わない。そのズレが笑いを誘う。不審な動きもあるが、何ごとかが起きるわけではない。スレイマンはじっと見つめるだけ。セリフもない。

 パリやニューヨークは治安が悪化している。平穏な街の姿は伺えない。街中を戦車が走る。住民は自動小銃を持ち歩いている。不思議な光景である。ここでも傍観者である。

 で、結局、イスラエルに戻る。ダンスホールでは踊りが続いている。にぎやかな歌が聞こえる。

 イスラエル国籍のパレスチナ人という立場はどうなのだろうか。わたしにはわからない。スレイマンもそれを説明しない。

 イスラエル国内ではテロが起きて治安がよろしくないとの報道を耳にするが、実際はどうなのか。パリやニューヨークもおなじように治安が悪い。ナザレだって同じようなものだが、ここにだって安らぎも楽しみもある。パリもニューヨークも一緒。ここも天国にちがいない。It Must Be Heavenが原題。

 ストーリーらしい展開はない。ほとんどが街のスケッチである。かったると言えばかったるいけど、眠りに誘われるようなことはない。珍妙な人々、それを見つめるスレイマン。

 ここだって、一定すみかぞかし。スレイマンはそう言いたいのだろう。

 ナザレは、ワクチン接種なら天国にちがいない

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