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2021年5月30日 (日)

「HOKUSAI」

 葛飾北斎は江戸後期を代表する浮世絵師で、その名は世界中に知られている。90歳近くなっても描き続けたという人生はみごとと言うしかない。

「富嶽三十六景」が有名だが、私が好きなのは「諸国名橋奇覧」。吊り橋や浮き橋の描き方がすばらしい。春画も捨てがたい。タコが女にからんだ絵はありきたりの春画ではない。あの大波の絵に匹敵する。

 イオンシネマで「HOKUSAI」を観てきた。観客は多かった。いいことだ。

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 北歳の生涯を描いている。前半の青年期は柳楽優弥が、老年期は田中泯が演じている。

 浮世絵の作り方も描かれている。絵師、彫り師、刷り師という連携で版画は作られる。これは知っておいたほうがよい。

 前半(柳楽)、後半(田中)にきれいに分かれているのだが、切り替えがちょっと唐突で、観客は違和感を抱く。これなら後半の田中泯を軸として、柳楽の回想シーンを入れていくという構成、現在と過去の交錯にした方が映画にぐっと深みがでるように思う。

 前半後半にからむのは柳亭種彦である。その戯作に挿絵を描いたのが北斎である。北斎との友情が描かれる。

映画は、戯作本や浮世絵が風俗を乱すという理由で幕府は厳しく取り締まったあたりを描いている。お上による文化への弾圧である。北斎はこうした抑圧を屁とも思わず書き続けた。

 アニメで「百日紅」があったのを思い出した。あれは娘のお栄を中心に描いたものだった。

 HOKUSAIでは、タコの春画は出てこない。ま、そうだろうけど、ちょっと映し出してもよかったのではないかと思っている。

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