AIの形勢判断
毎週、NHKの将棋トーナメントを観ている。
今期からAIの形勢判断を表示するようになった。囲碁も同じようにしているが、画面上部に形勢を100パーセント配分で表示する。形勢が先手に傾けば右側のパーセントが大きくなる。これがおもしろい。
一昨日の飯島英治八段と大橋貴洸六段の対戦は、AIが右に左に大揺れした。
後手の大橋六段が最初から優位を広げ、このまま簡単に押し切る情勢となっていた。おもしろくない、凡戦かと思いきや、AIは突然先手に振れた。アリャリャラの大逆転。大橋六段が指した桂打ちを悪手というか一手ばったりの大悪手と判断した。劣勢だった飯島玉が上部脱出できるとしたのだ。
これが素人にはわからない。解説の村山七段も画面を見つめるだけ。しかし将棋はこれで終わらない。飯島八段が金の頭に歩を打つ。常套手段。解説者はこれを好手としたが、AIの判断は逆。将棋指しの常識とAIの感覚は違う。形勢は再び大橋六段に傾く。
が、ここからもAIの判断は動く。二転三転し、ついにAIは99パーセント飯島八段の必勝と表示した。しかし、局面は難しい。即詰みはありの必勝形なのだが、間違いなく指せばであって、緩手ならば逆転する。30秒未満で正しい手を指し続けなければならない。素人では無理だ。
最後は大橋六段の逆転負けとなった。勝ち将棋を勝ちきるのは難しい。
AIと棋士では感覚の違いがある。時間をかけて読めばAIが正しいのだろうが、戦っているのは人間同士。そこに勝負の妙がある。そこにAIの形勢判断が入ると将棋のおもしろさがさらに増す。ま、ある程度の実力がないと妙味はわからないけど、素人でも形勢ぐらいはわかる。
指運ということばがある。指す手が正しいかどうか、最後はエィヤーの判断で指す。運を指に託す。それが好手か握手か、神のようなAIのみが判断する。
いや、AI越えなんてこともある。
写真の花をご存じだろうか。
正解はアマリリス。スマホのAIは100パーセントまちがいないと判断した。
「ラリラリラリラ しらべはアマリリス」という歌は知っている。でも、この写真の花とは結びつかなかった。
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