遊雀・萬橘二人会
鶴川落語に行ってきた。三遊亭遊雀と三遊亭萬橘のニ人会。
これは昨年予定されていたもので、立川志の輔独演会とダブっていたのであきらめていたのだが、志の輔が延期になった、で、急遽こちらのチケットをとった。それが延期され、さらに再延期されることになった。翌年の、つまり今年の7月にようやく開催されることになった。
席亭(主催者)はたいへんだったと思う。すべては新型コロナのせい。オリンピックも無観客にするぐらいなら来年に延期したほうがいいのに・・・。
今回の演目
遊かり ちりとてちん
遊雀 七段目
萬橘 次の御用日
萬橘 あくび指南
遊雀 紺屋高尾
遊かりは遊雀の弟子。噺家になって9年目という。女性らしく工夫して「ちりとてちん」を演じた。出てくる料理が鯛のカルパッチョとか鰻の蒲焼き。現代風にアレンジしている。
師匠の遊雀はマクラで遊かりをほめたりけなしたりして笑わせる。このあたりは手慣れたものだ。あとに出てきた萬橘は、親子会でやってるようなネタばかりじゃないかと文句をつける。なるほど弟子とじゃれてるような雰囲気。楽屋では和気藹々ということだ。
いつものように明るい。アドリブも快調、というか手慣れたものだ。聴いていて気持ちがよい。
萬橘の「次の御用日」は珍しい。小僧と番頭、そしてお裁きの奉行との珍妙なやりとりが聴きどころ。ときに奇声を発する。こういうクレイジーな演目は萬橘の得意とするところである。枝雀を思い起こす。
いつも感心するのは噺に工夫を凝らしていることだ。「あくび指南」などナンセンスきわまりないストーリーだが、ちょっと工夫して、あくびがうまくなりたいという理由をちゃんと織り込んでおり、聴く人を納得させる。他の演者にはない工夫がある。さすが萬橘。
ということで、愉快な二人会だった。
ついでのひとこと
夕方、セミの鳴き声を聞いた。ことし初めて。でも、変だ。カナカナカナ。ヒグラシ?? ヒグラシは夏の終わりのセミ。まさか、耳を疑ったけど、まちがいなくカナカナカナ。
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