九月中席 密じゃない
久々に国立演芸場に行ってきた。都心に用があり、その足で、演芸場に向かった。
中席のトリは、天どん、彦いち、白鳥が交代で務める。その日は白鳥だった。たまたまそうなったのであって、彦いちでもよかった。
客席に人は少ない。コロナのせいか白鳥の不人気のせいか、それにしても疎、不入りである。
今回の演者と演目。色物を除いて。
三遊亭青森 シャンプーとコンディショナー
三遊亭丈助 新寿限無
林家正雀 紙屑彌
夢月亭清麿 東急駅長会議
三遊亭白鳥 最後のフライト
今回は新作がほとんどで、本寸法の正雀さんが異質に見える。
青森はその名からわかるように白鳥の弟子。不機嫌そうな金髪。盛り場でたむろしてそうな・・・、とても噺家には見えない。
マクラなしで、擬人化したシャンプーとコンディショナーの話。純愛もの。円丈、白鳥と引き継がれていく芸風が感じられる。
丈助は円丈の弟子。パーマがかかったロングヘア。こっちも噺家に見えない。汚いホームレスおやじ。暗い感じ。なまはげ小咄で多少うけて・・・、そうか、ロングヘアはなまはげを思わせる、本題は「寿限無」だった。といっても改作。じゅげむじゅげむがアミノ酸リボ核酸龍角散といったフレーズになる。脱力系である。
正雀さんは飛ばして清麿。噺家らしい風貌だが、演目は鉄道ネタ。東横線の駅長が集まって会議。祐天寺駅長が俺のところが中心になるべきだと訴える。古今亭駒治の「鉄道落語」を連想させる。
で、トリの白鳥。今回の「最後のフライト」は時事ネタ。菅さんが登場するが、この噺はまもなく賞味期限切れになってしまうと、くやしがる。たしかにそうだ。菅さんはまもなく過去の人になる。
オチはおもしろかった。格安航空で沖縄に行く。そこでおみくじを引いたら凶だった。それでいい。吉(基地)はないほうがいい。
追い出しが可笑しかった。退場は、密を避けるよう、ブロックごとに退席するようになっている。整列退場をお願いしますと言っていたが、本日は自由にお帰りくださいとのアナウンス。あはは、客は少ない。出口で密になることはない。
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