うなぎの獅子喰い
久しぶりにうなぎの蒲焼きを食べた。
登戸にある柏屋。江戸時代から続く店である。以前は登戸駅の北側にあったが、南側に移転した。多摩川沿いにあるので眺めはよい。
蒲焼きで思い出したことがある。獅子喰い。
テレビのドキュメンタリー番組で、ライオンが捕らえた草食動物を喰らうシーンがある。はらわたに顔をつっこんで肉を喰いちぎる。食べ終えた顔は血だらけ。補食した動物の血がべったりついている。
高峰秀子の『私の渡世日記・下』のなかでうなぎの蒲焼きを食べるシーンがある。場所は南千住にあるうなぎの老舗「尾花」。この店については当ブログでも採り上げたことがある。大うなぎの蒲焼きは大皿に乗っている。
高峰秀子は梅原龍三郎に連れられて「尾花」に行った。
高峰が獅子喰いとはどうやって食べるのかと訊くと、梅原は両手で皿を持ち上げ、箸も使わず、うなぎにかぶりついた。顔をあげると、梅原の顔はうなぎのたれだらけになっていた。血だらけのライオンの顔に似ている。だから獅子喰い。40年以上も前の話である。
「雄花」はまだある。いずれ行ってみたい。獅子喰いはしないけど。
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