にんじんと三題噺
毎年、この時期、万福寺にんじんの品評会が開かれる。
万福寺にんじんはこの地域(麻生区)で細々と育てられている超ロングのにんじんである。かつては多くの農家で栽培されていたが、栽培も収穫も手間がかかるため、いまや育てている農家はわずかになっている。このままでは途絶えてしまう、なんとか普及させようと保存会が作られ、活動を続けている。現在は、農家の他、学校や家庭の菜園で育てられている。
育てたにんじんを持ち寄り、長さ、形、色、香りなどを競うのが品評会である。最優秀に選ばれたものは長さが87センチあった。写真は品評会の様子。
で、話しは変わって落語。
柳亭市若(地元出身)による三題噺の会が開かれた。場所はアートセンターの工房。勝手知ったる場所(しんゆり映画祭のホームグラウンド)だ。
三題噺とは、客から三つのお題をいただき、それを織り込んで新作落語に仕立てるものである。 おなじみの「芝浜」も三題噺のひとつ。酔っぱらい、財布、芝の浜の三つを題にして、ほぼ即興で作られたものだ。
三題話の基本は、人物、もの、場所である。今回、にんじんをお題にと思ったが、客から出てきたのはものが多かったので、別の題、ハワイを提案した。お客は10人ちょっとと少ないので、ハワイも選ばれた。
そのお題は、二日酔い、ロケット、ハワイとなった。
市若の弟弟子の柳亭市好が一席やっている間に考え、つくる。そして休憩後に演じる。
内容を骨子だけを言うと、ハワイに団体旅行に行き、酒を飲んで酔っぱらって海岸でロケット花火を打ち上げる。
それだけ聞くと、つまらないけど、その場で作り上げるのはプロの噺家でも至難である。この噺、肉付けをうまくやれば新作として成立するのではないか。
練り上げて新作の噺として高座にかけたい、と市若は語っていた。
次回の三題噺の会は3月5日とのことだが「志ん輔の会」と重なっている。チケット購入ずみ。残念ながら三題噺の会はパスになる。
次回は、にんじんをリクエストしようと思っていたのに。
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