「スウィート シング」 これも親ガチャ
アレクサンダー・ロックウェル監督の「スウィート・シング」をアートセンターで観てきた。ロックウェル監督作品は、日本では「イン・ザ・スープ」以来、25年ぶりの公開だそうだ。
15歳の姉ビリーと11歳の弟ニコの物語である。16ミリの白黒フィルム映画。ときどきカラー映像になるが、スクリーンに映し出される映像は粗い。古いモノクロ映画のようである。
時代設定はよくわからない。数十年前だが、戦前ではない。ちらっとレクサスが出てくる。貧しい暮らし。学校にも行っていない。父親は飲んだくれで満足にクリスマスも祝えない。アルコール患者専用病院に入院させられるのを機に家を出ていった母親のもとに行く。母の恋人もろくでもない男だった。暴力を振るう。そこで出会った少年とともに家を飛び出し、フロリダに向かう。明るい未来を思い描いての旅立ちだった。
映画を観ながら、親ガチャということばを思い浮かべた。ろくでもない家庭に育った子供たちはどんなふうに生きていくのであろうか。
逃亡の旅は自由でもある。空き家に忍び込んだり、楽しい一日だった。チラシのコピーに「宝石みたいな1日だった」とある。まさにそうである。
映画のタイトルはSWEET THING。なんと訳してよいやら。複数形になっていないところに注目。たったひとつの優しいこと(人)。歌は愛しき人よと訳していたような気がする。
ちょっと前の是枝監督が描きそうな、ケン・ローチもかつてこんな映画をつくっていたような、そんな雰囲気の映画だ。地味だけど、おすすめ。
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