しんゆり寄席 五街道雲助
しんゆり寄席、今回のトリは五街道雲助である。
落語協会の重鎮。とりわけ郭噺に定評がある。
「女郎買いは昭和33年3月31日になくなった。親の命日は忘れてもこの日だけは忘れない」というマクラを振ることが多い。
あらかじめ演目は発表してあって、今回は「明烏」。郭噺であるが若旦那ものでもある。落語に登場する若旦那は決まって道楽者、勘当同然であるが、「明烏」に登場する若旦那はまじめ一筋、うぶで女郎買いなどとんでもないと思っている。それがだまされて吉原に誘われ、お籠もりをすることになった。そして・・・明日はどうなるかわからないと予感させるところでオチとなる。先代の文楽が得意とした。
今回の演目
古今亭始 四段目
初音家左橋 豊竹屋
五街道雲助 明烏
「四段目」は、忠臣蔵の四段目、芝居好きの丁稚の噺。
「豊竹屋」を聴くのは久しぶり。義太夫が大好きで、なんでも義太夫節で語る男の噺である。
それらはとばして雲助噺。マクラは予想通り、いつもの昭和33年3月31日・・・だった。女郎買いはジョーロカイと発音する。郭噺では鉄板のマクラである。ファンもそれがないとがっかりする。
「明烏」はだれでもやる演目だが、同じようにやっても個性があらわれる。聴き比べるとわかる。雲助はじっくり丁寧に演じる。練り上げてここまで作り込んできた芸であり。聴いていて心地よい。
落語通ならご存じだが、甘納豆を食べるシーンがある。甘納豆を食べる落語といえば、「明烏」だとすぐわかる。甘納豆で明烏だとわからないのはもぐりである。どうでもいいことだけど、知っていて損はない。知らなくてもいいけど、雲助流のしぐさも見どころである。
ところで、はなしは変わって、術後のこと。
手術した右目は明るくなった。左が白熱球とすると、右はLEDぐらいか。遠方の視力はそれほど変わらないけど、右目だけで新聞は読めるようになった。
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