ダニとミモレット
毎日、チーズを食べている。ビールのつまみだ。
冷蔵庫には何種類かのチーズが入っている。いちばんの好みはミモレットである。写真のチーズは12ヶ月熟成のもの。18ヶ月ぐらい熟成したものがより旨いのだが、それ以上の熟成期間が長いものは固くなる。
このミモレット、熟成法が変わっている。ダニを使っているのだ。えっ、ダニ! と驚かれるだろう。そう、ダニ。発酵前の若い丸玉のチーズにダニをまぶす。あとは室で熟成させる。これがアミノ酸たっぷり旨いチーズになる。そのメカニズムはよくわからないが、ダニがカビの発生を抑えるとともにダニが出す体液が旨みを引き出しているものと思われる。味噌とか日本酒と同じようなものだろう。
きのうの新聞の書評欄に『幻のシロン・チーズを探せ』が紹介されていた。サブタイトルに「熟成でダニが活躍するチーズ工房」とある。
これだ。シロンとはダニのこと。ミモレットのことだ。ダニは嫌われものだが、地球上に存在しているダニのうち、人間に悪さをするのは2割ぐらいで、あとの8割はよいダニだそうだ。へー、8割がねえと感心する。
日本に輸入されたミモレットには生きたダニがくっついている。市販のものはそれをそぎ落としてカットしているから、ダニは生きてはいない。それでも動くダニを見つけられるんじゃないかと思っているが、いまだ見たことはない。
熟成期間の短いミモレット(熟成期間3ヶ月程度)も売られている。色鮮やかでカラスミのようである。柔らかいが、まだ若い。熟成が進んだものの方が断然旨い。熟成期間の差である。
ひょいと浮かんだのが「街のダニ」。ちかごろは、この表現、聞かなくなった。
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