「親愛なる同志たちへ」 ハエ一匹
ウクライナ侵攻はまだ続いている。
プーチンは、侵攻した理由をネオナチが親ロシア勢力を蹂躙している、それを排除するためと語っていた。ネオナチが? と疑問を抱いたが、親ロ勢力を虐待しているような情報はこれまで聞こえてきてはいない。むしろ親ロシア組織が東部のドンバス地方などを支配しているように聞いていた。
プーチンと国連のグテーレス事務総長が会談したとき、プーチンはコソボを引き合いに出して侵攻の正当性を言い立てていたが、それは論点のすり替えである。コソボと比べるのは間違っている。
ネオナチというなら、ラブロフ外相がゼレンスキーにはユダヤの血が流れていると口を滑らせた。それこそネオナチの言動である。(すかさずプーチンはイスラエル首相に謝罪した。普通だったら、ラブロフは辞任ものである。)
ソビエト時代を描いた「親愛なる同志たちへ」をアートセンターで観てきた。
スターリンが亡くなったのは1953年。その3年後、スターリン批判により、ソ連は新たな共産主義国家の建設に舵をきった。しかし、目指すような国づくりにはつながらなかった。農業も工業も思い通りにはいかず、生産性も向上しなかった。政府はそれを隠し、うまくいっていると喧伝した。
1962年、ノボチェルカッスクの国営工場でストライキが発生した。物価高騰と賃金カットに対する抗議であった。暴動となった。映画はその暴動を描いたものだ。
党本部としてあってはならない騒動であり、軍を派遣することになる。KGBも動き始める。
共産党地方本部に抗議で押し掛ける市民に向けて銃撃を行うという事態となった。市政委員であるリューダは娘がこれに巻き込まれたことを知り、行方を追うといったストーリーである。事実を隠蔽する共産党に疑いを関しながら娘を捜す。
モノクロ、スタンダードの画面であり、昔の映画のように作られている。当局は、騒ぎが大きくならないよう抑圧するとともに事実を隠蔽するために町を封鎖した。ハエ一匹もらすなといったせりふが飛び出す。どこかで聞いたような文句である。
プーチンはマリウボリの製鉄所の砲撃をやめて、ハエ一匹出入りさせるなと指示を出した。
ロシアでは、こういう場合、ハエ一匹と言うらしい。日本では、アリ一匹とかネズミ一匹と言う。些細な表現なのだが、わたしには印象に残った。
明日、ロシアでは戦勝記念日の祝典がある。プーチンはどんな発言をするのか。
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