「PLAN 75」
75歳になると自分の生死の選択ができるという「PLAN 75」のストーリーを知ったとき、50年ほど前に観た「ソイレント・グリーン」を思い出した。
世界的な食糧危機となった未来を描いた映画である。人は自分の意思で安楽死を選択できるようなる。ベートーベンの「田園」を聴きながら死へと向かう。設定はよく似ている。半世紀も前の映画だが、ベートーベンが流れる場面はしっかり頭に残っている。
アートセンターで観てきた。話題作だけに観客は多い。満75になると安楽死を選択できる制度が施行されることになる。78歳になるミチ(倍賞千恵子)は独り暮らし。ホテルの清掃の仕事をしているが、高齢を理由に解雇される。雇ってくれるところはない。蓄えも少ない。先行きは暗い。PLAN75の選択も視野に入ってくる。そんな話である。
こちらは75歳、後期高齢者になったから切実感もただよってくる。身に詰まされるというほどではないけれど、重苦しい。
ずっと暗い。カラオケで「林檎の木の下で」を歌うシーンだけがやや明るい。もういちど、この曲を歌うシーンがあるが、それは言わないでおく。
映画から離れる。十年以上前、友人が亡くなった。その通夜で流れていたのがこの曲である。繰り返し静かに流れていた。明るい。なつかしい歌だ。ディック・ミネが歌っていたのを覚えている。ディック・ミネを知っているのはかなりの高齢者である。
ということで、この映画、重苦しい。娯楽性ゼロ。「ジェラシック・ワールド」のように観るわけにはいかない。
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