岡上神社の奥を覗く
川崎市の北西部に岡上がある。市の飛び地であり、周りは町田市(東京都)と横浜市に囲まれている。小田急線の鶴川駅の南側にあり、いまでも田園風景が広がっている。
岡上に親しむ会が中心となり、この地の氏神である岡上神社の調査をした。外観はいつでも見ることはできるが、中はめったに見ることはできない。氏子総代などの了解を得て見学、写真も撮らせてもらった。川崎市の文化財課のスタッフにも声をかけた。
明治のはじめまで岡上にはいくつもの神社があった。明治政府から一村一社令が出され、5つの神社、劍神社、諏訪神社、日枝神社などが合併、合祀されることになった。明治42年のことである。神社名をどうするか、どれかの神社名を残すとなると、無くなる神社から苦情がでる。結果、丸くおさまるよう村の名前を神社名とした。
岡上には明治のはじめまで4家の山伏がいた。明治5年に修験禁止令が出され、修験道(山伏)は強制的に還俗されることになり、帰農した。その山伏の末裔も岡上神社の氏子となっている。
岡上の歴史を調べると、政府の神仏分離令などの宗教政策によって村が翻弄されたことがわかる。
細かなことは省く。神社の神殿は小さいが、欄間の彫り物がみごとであることに驚かされる。
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