神蔵美子さん
『歴史の本棚』(加藤陽子著)を読んでいたら、末井昭という文字が飛び込んできた。
加藤陽子は日本近現代史の学者(東京大学教授)であり、末井は先だって紹介した『100歳まで生きてどうするのですか?』の著者である。エロ雑誌で一世を風靡したあの人。
神蔵美子の『たまこはる』の章で末井が登場する。末井の妻が神蔵美子で、『100歳・・・』に登場する「美子さん」がその人だったのだ。ふーん、そうなのか。
末井と美子さんは互いに連れ合いがいながら恋愛関係となり、ふたりとも離婚して、再婚した。末井はもてないようなことを書いているが、そうでもないようだ。末井、畏るべし。
さらに驚くのは、美子さんの別れた夫とは数年前に亡くなった坪内佑三(文芸評論家。読書好きならご存知のはず)なのだ。へー、そうだったのかとまた驚く。
末井はイエスの方舟の理解者というか信奉者であったが、美子さんもそうだった。
仙石イエスの語録をひとつ紹介しておく。 「聖書を信じるかぎり、男の人生において愛好に意義あることは、女を愛することにあるんです」
神蔵芳子の著作を調べてみたら川崎市図書簡にあった。『たまゆら』。20年前に刊行された写真とエッセイを集めたもの。軽く読めると思っていたら大間違い。ボリュームたっぷり。しかも字が国語辞典のように小さい。わたしには無理だ。まずは。写真の部分だけをめくってみた。
ちょっと笑える写真もある。坪内と末井のツーショットがある。三人並んだ写真もある。
おもしろい。世には変な関係がある。
ついでのひとこと
小田急線・鶴川駅の近くに、こんもりとした森がある。今はどうだか不明だが、香山園(カゴヤマエン)という看板が立っていた。江戸時代は代々名主を務めた。庭と建屋はみごとである。持ち主は神蔵家。町田市がこれを買い取り、いずれ記念館として公開されるという。
神蔵とは珍しい名前である。一族はこの近辺に住んでいる。神蔵美子という名を知り、ひょっとして縁者ではないかと思った次第である。。
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