川崎市市民ミュージアム 修復作業
コロナ・パンデミックの前年、2019年は台風被害が多い年だった。
15号は風台風だった。私の住むマンションは暴風雨でも外の音はそれほど聞こえないが、この時は風のうなりがすごかった。千葉県では送電塔が倒れるなど多くの被害があった。19号は雨台風で、水被害により、多くの人が犠牲になった。
この19号で、川崎でも多摩川の水位が上がり、ここに流れ込む川の水が行き場を失って逆流した。河川敷に近い川崎ミュージアムでは地下が浸水し、多くの文化遺産など貯蔵物が水没した。
預託していた岡上の梶家文書も水に浸かった(梶家文書には私も多少関わりがある)。これら文書は現在も修復中であり、被害状況についての多くはあきらかにされていない。
その修復の様子を伝える展示会が川崎市各地(市内持ち回り)で開かれている。現在、麻生区の市民館で開催中。それを見てきた。
修復がいかに面倒かがわかる。古文書は一週間もすればカビが生える。いったん冷凍保存し、順次、水荒いしてアイロンをかけて乾燥させるといった行程で修復する。
陶器のたぐいはほとんど傷みはなかった。映画フィルムも水没した。デジタルスキャナーを使って修復できるものはデジタル化しているという。ケン・ローチの初期の作品や古い貴重なフィルムもあるが、どれが修復可能かそうでないかは明らかにされていない。(しんゆり映画祭で上映できないかと問い合わせた作品がある。それは修復できなかったとの返答だった)
で、教訓。文化財をはじめとする貴重品は地下倉庫に格納しないことだ。地下にするなら、浸水や湿気対策をきちんとしなければならない。
非常持ち出しも地下はダメ。地震や水害で立ち入りできなくなることがある。
ひるがえって我が家は、たいした備えはしていない。避難所には近い。なんとかなるだろうとたかをくくっている。隣のスポーツセンターは遺体置き場になる。いくら近いからとはいえ、その仲間に入るのは遠慮する。
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