「BLUE GIANT」
マンガを読まなくなったのは四半世紀前、50歳のころだった。「ビッグコミック オリジナル」の定期購読をやめた。いい歳をした男が通勤電車でマンガ雑誌を広げるってこともあるけれど、吹き出しの字を追うのが煩わしくなったからだ。目の衰えか。
アニメ映画の「BLUE GIANT」を観てきた。「ビッグコミック」本誌に連載されていたマンガが原作である。もちろん読んでいない。
予告編を観て、ジャズのサウンドを聴いた。ああ、これはぜひ観たい、大音響でジャズを聴きたいという気持ちになった。
サックス奏者を目指す若者とその仲間の物語である。ストーリーは二の次、大音響でジャズ演奏を聴く。ジャズサウンドのシャワーをたっぷり浴びた。
満足した。文句をつけるなら、吹き替えというか声優のしゃべりだ。どうも耳に居座りが悪い。今回の声優がわるいというわけではなく吹き替え全般に言えることだが、口調が引っかかる。吹き替えには独特の口調がある。あのしゃべりが耳障りなのだ。ふつうにしゃべればいいのにと思う。
映像、街の風景はよい。夕焼けや夜の景色は美しい。アニメの、特に風景の映像は進化している。それとは逆に、人の仕草が今一つである。ピアノを弾くシーンがあるが、指づかいが稚拙。せっかくのジャズ演奏なのだから、そこに力を入れ、本物の指の動きのようにすべきだろう。それが面倒なら、指の動きは映像にしなくてもよい。
この映画は、ときどき目をつぶって観るのがよい。耳に集中してサウンドのシャワーを浴びるのがよい。
ついでのひとこと
松本零士が亡くなった。好きな作品に「宇宙戦艦ヤマト」を挙げる人が多いが、アタシは「男おいどん」。あれ好きだった。世代によって好みは違ってくるかもしれない。サルマタケがなつかしい。
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