にせもの猿魚
先週の新聞に、上半身はサル、下半身は魚の物体、ミイラのようなものが岡山のお寺に大切に保管されているという記事が載っていた。研究グループがエックス線などを使って調べたところ、19世紀後半に作られたものだと判明したという。
ああ、これと同じようなものは見たことがある。千葉県佐倉市にある国立歴史民族博物館で開催された「にせもの博覧会」。ここで展示されていた。にせもの展を見学するため、遠路佐倉まで出かけた。
図録を買った。書棚にあるはずだが、見つからない。あれこれ探すうちに奥の方にあった。
開催されたのは2015年。8年前。そんなに前か。写真は図録に載っていた半身魚というか猿魚である。岡山のものと同類であろう。
珍しいものではなく、幕末から明治にかけてたくさん作られた。多くはヨーロッパに輸出された。図録には、作製の仕方が載っている。中身をくり抜いて詰め物をして、二つをくっつけて膠で固める。ひとことでいうとそうなる。異形なミイラである。値段は60両。けっこういい値である。
なぜこんなグロテスクなものが作られ輸出されたかはわからない。不可思議な動物のミイラであるが、輸出品としてけっこう外貨を稼いだ。オリエンタリズムのひとつとして珍重されたのだろう。
それで思い出したのがアホウドリの羽根である。大量に輸出され、外貨を稼いだ。婦人用の帽子の羽根飾りとして使われた。大量のアホウドリが捕獲さr、アホウドリは絶滅寸前までいった。鳥島という島があるが、鳥とはアホウドリのことである。尖閣にもアホウドリがいた。
南の島にはアホウドリがいて、これを目指して日本の船は島を目指した。
功罪がある。アホウドリは絶滅しかけたが、日本は南浦諸島を領有することになった。
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