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2023年2月20日 (月)

「対峙」

 ときどき銃乱射事件が起きる。比較的銃が手に入れやすいアメリカで起きる。

 2018年、フロリダの高校で事件は起き、10人の高校生が犠牲になった。加害者も自殺したから死亡者は11人になる。数年後、被害者の両親と加害者の両親4人が対面した。そのときの会話の記録に基づいて映画化されたのが「対峙」である。

 どういう経過で話し合いの場がもたれたのかはよくわからない。場所は教会の一室。映画のほとんどのシーンはこの部屋。だからドキュメンタリー映画を観ているようでもあり、舞台劇を観ているようでもある。

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 それにしてもシリアスである。観客はシリアスであることを覚悟しているが、事態の展開については予想していない。

 冒頭から緊張感が広がる。いずれの親もぎこちない。被害者の親は申し訳ない気持ちと子育てが間違っていたかもしれない、事件を引き起こす兆候を見逃したと語る。被害者の親はなぜ死ななければならなかったか、止めることはできなかったかを問う。互いに冷静であろうと努めるが、ときに感情が爆発する。

 感情の交錯・・・観客もヒリヒリした感情におそわれる。

 で、話し合いの意味はあったのかというと、わからない。映画は安易な結論、たとえば癒しがあったとか、心の救済がといったことは描かない。多少のカタルシスはあった。 4人はいずれもベテランの舞台俳優と思われる。感情の起伏など演技力には圧倒させられる。

 家族愛とか子を想う親の気持ちなどに言及することもできるが、安易には語りたくはない。

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