新宿に出かけた。武蔵野館で足立紳原作・脚本・監督の「雑魚どもよ、大志を抱け!」を観た。
この映画、新百合ヶ丘のアートセンターで上映されるかもしれないが、わからない。もし上映されなければ、この秋の「しんゆり映画祭」での上映有力候補になる。だからということもあり、早めに観ておくことにした。
武蔵野館は古くからある新宿のミニシアター。いい映画館なのだが、スクリーンが低い位置にあるのが欠点。前の座席に座高の高い人が座ると後ろのシートでは観にくくなる。前列は空いていた。ところが上映間近になって背の高い、髪の毛をちょんまげ風に結った男が座った。スクリーンが隠れる。さいわい隣の座席が空いていたのでそっちに移った。

時代は1988年。飛騨古川が舞台となる。小学5年から6年にかけての小学生たちを描いたものだ。仲のよい4人は放課後、自転車に乗ってでかける。学校ではオオサンショウオにいたずらをしたり、廃線となった線路の先にあるトンネルにでかけたり、じっとしていられない少年たちである。それぞれが家庭でのトラブルを抱えているが、外では自由で抑圧から逃れることができる。
対立するグループがいる。ときどきトラブルとなるが、大事にはいたっていなかった。しかし、勢力バランスはしだいに崩れていく。
ざっとこんな設定。自転車を乗り回す光景が印象的である。この映画ほとんどが手持ちカメラでの撮影である。揺れるカメラワークがいい。足立紳は相米慎二監督の助監督をやっていた。この映画でも相米監督の流れを汲むような味わいがある。
「スタンド・バイ・ミー」のような、あるいはつい先ごろ観た「フェイブルマンズ」と重なるような雰囲気ある。
永瀬正敏がちょい役で出ている。永瀬はあいかわらず永瀬キャラを演じている。ちょっと笑える。役づくりが固定されちゃってる。
それはともかくとして、飛騨古川には「蓬莱」という日本酒がある。最近はあまり飲んでいないのだが、また呑みたくなった。ここはまた、あの「君の名は。」の舞台にもなった町だ。
JR高山線を走る列車は、一両編成。一両では列車という表現はおかしいか。それにしても、鉄道は衰退した。本数も減った。わたしが生まれたのは飛騨古川から南の、今だと下呂市になる。高山線にはよく乗った。むかしは蒸気機関車だった。