「すべてうまくいきますように」
アートセンターでソフィー・マルソー主演の「すべてうまくいきますように」を観てきた。このところ週二ぐらいのペースで映画館に行っている。昨年もそのぐらいだったから、普通のペースだ、ということはともかく、ソフィー・マルソーは若い人は知らないかもしれないが、スーパーアイドルだった。可愛らしかった。56歳になるという。
安楽死を扱った映画である。まもなく85歳になるアンドレは脳梗塞で倒れる。命はとりとめたものの思うようには動けなくなる。死にたい、はやく人生を終わらせたいと言う。娘のエマニュエル(ソフィー・マルソー)は父の意向に戸惑うが、安楽死について調べる。フランスでは尊厳死というか安楽死は御法度、スイスなら可能だと父に伝える。
ジャンリュック・ゴダールはスイスで安楽死を選択したことを思い浮かべる。スイスでは自ら命を絶つことが認められている。自分の手で毒薬を飲む。幇助を受けてはならない。そういうハードルの高い安楽死である。安楽死というより尊厳死と呼んだ方がよいのかもしれない。
アンドレは寝たきり状態だったが、しだいに元気を取り戻していく。が、スイス行きは撤回しない。エマニュエルと妹は父の意向に翻弄させられることになる。
スイスでの安楽死は、寝たきりで意識がもうろうとしていたり、当人の意志が明確になっていないと認められない。さらに、家族が付き添うのもダメ。自殺幇助とみなされるかもしれないからだ。けっこう厄介。本人の意志が明確であり、みずから毒薬を飲まなければならない。だれの介助も受けてはならない。ゴダールもそうやって毒薬を飲んだのだろう。
映画に戻って、アンドレの別居中の妻役はシャーロット・ランプリング。こちらもなつかしい女優だ。出番は少ないけど存在感がある。もうすっかりおばあちゃんだ。
切実なストーリーだが、目を背けたくなるような深刻さはない。アンドレは頑固だが、ユーモアもある。題名に、すべてうまくいきますようにとある。「生きることと運命はちがう」というセリフが出てくる。すべてうまくいくわけではないが、ま、人生はこんなものだろう。セ・ラ・ヴィ。
ときどきブラームスが流れてくる。
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