「オットーという男」
まもなくイオンシネマでの上映が終了となる「オットーという男」を観てきた。駆け込みである。トム・ハンクス主演だから観逃すわけにはいかない、というほどではないけれど、これは観ておきたい。
昨年は「エルヴィス」に出ていた。エルヴィス・プレスリーのマネージャー役。奇っ怪な演技が印象に残っている。名優はどんな役でもこなせる。
今回は、ひとり暮らしの老人・オットーの役。眉間にしわを寄せ、住民のマナー、ゴミの分別とか車の停め方とかにはうるさく文句を言う。小言幸兵衛である。
妻を亡くし仕事も定年退職となった。もうこの世に未練はない。早く妻の元にいきたいと自殺をはかるが、じゃまが入る。近所にメキシコ人家族が引っ越してきて、なにかと頼みごとをする。煩わしいが、この隣人は人なつっこい。元来世話好きのオットーはなにかと面倒をみることになる。
亡き妻との映像も流される。初めての出会い、交際が始まったころのシーン。なつかしい、はやく妻の元にいきたいと思うが、そうもいかない。もうひと組のお隣さん、黒人家族がいる。こちらも老人介護などの問題を抱えている。なんとかしなくてはならない。こうした交流によりオットーの頑固な感情はしだいに氷が溶けるように緩んでいく。
といったストーリー。頑固者の心がほどけていく小説や映画はありふれている。これもそのひとつだが、時代背景をうまく描いているところもみどころ。購入する車がクライスラーからどんどん変わり、セリカ(トヨタ)、フォルクスワーゲンとなっていく。黒人、メキシコからの移民といったマイノリティにかかわる社会現象もさりげなく描いている。
こころあたたまる。たまにはこういう映画もよい。
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