認知症 介護の極意
アルツハイマー病の新薬が開発、発売されるというニュースがあった。認知症治療の特効薬となればすばらしいことだが、詳細を調べてみると、たいして効果はないらしい。多少進行を遅らせることができるが、有効であると判断するほどではない。副作用もある。薬価も異様に高い。
とはいえ、認知症を患う人や家族にとっては、期待の新薬だろう。たとえワラであってもすがりたい気持ちはよくわかる。
アタシも関心がある。後期高齢者となり思い出せないことが多くなった。脳をチェックすると年齢相応に萎縮していると医師は言う。「歳相応であって問題はありません」。年齢相応というのをどう評価したらよいか。問題はないと思う人もいるだろうが、年齢どおりボケているということでもある。
現在のところ、認知症は治らない、そう診断されたらあきらめてつきあっていくしかないと覚悟するのが冷静な判断だろう。
久坂部羊は小説家であり、老人医療の専門医である。みずから寝たきりとなった父親の介護をした。
以前、著作の『老乱』(朝日文庫)を読んだ。老いてぼける不安をもつ老人といずれ介護することになる息子夫婦を描いた小説である。老人の立場と介護をする側を交互に描いている。ああ、こんな風に呆けていくのかと老人の立場がわかる。ちょっと不安になる。もう一方で、息子夫婦の戸惑い、どう対処したらよいか、金銭的なことも含めて、介護が現実となっていく姿も理解できる。切実さが伝わってくる。
今月、あらたに『老父よ、帰れ』が文庫(朝日文庫)となった。こちらは施設に預けた認知症の父親を引き取って自宅で介護する物語である。
認知症患者が望むような介護、介護する側の妥当な対処法、その極意ではないけれどヒントとなるようなことが書かれている。
理想の介護とは、認知症の患者がなにを望んでいるかを知ることから始まる。ただ延命させればよいというものでもない。
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