毒吐き二人会
一之輔が「笑点」メンバーになってからテレビは二度ほどしか見ていない。日曜の夕方は外出していることが多いし、大相撲があればそっちを見ている。
その限りの感想だが、いつものスタイルを守っている。他のメンバーに媚びていない。これがよい。
春風亭一之輔と桃月庵白酒の二人会に行ってきた。場所は鶴川のポプリホール。最前列、右脇に近い席だった。このあたりの席は悪くない。正面よりよい。
「笑点」メンバーはマクラで「笑点」の裏話をすることが多い。そこそこ受けるから、易きに流れて笑点ネタを多用することになる。これが堕落につながる。芸人が精進を怠っては進歩はない。今回の一之輔、「笑点」にはいっさい触れなかった。これでよい。
マクラは立ち食いそばの話。小腹がすくとついつい立ち寄ってしまう。今日も、そう。箱根そば(小田急線沿線の立ち食いそば屋)。それほど旨くはないけど、富士そばよりはいい。といった、ま、どうでもいいようなマクラだった。
今回の演目
一之輔 堀之内
白酒 ずっこけ
白酒 代書屋
一之輔 百川
「堀之内」はそそっかしい粗忽者の噺。もともとハチャメチャな噺だが、さらにハチャメチャにしている。これが一之輔風。志ん朝などと比べると(たまにCDを聴いている)、さらに暴力的、爆発的に演じている。
お題目を唱えるところで「南無妙法蓮華経」を「南無妙法蓮芸協」とやっていた。芸協か。これは笑える。
白酒は悪口が冴える。毒吐きなら白酒か伯山。先輩の悪口を平気で言う。
「ずっこけ」は始めから終わりまで酔っぱらっている男の噺。ずっと奇声を発し続ける。体力がいる。疲れるだろう。そのせいか、後半の「代書屋」はちょっと短縮バージョンとなった。
マクラでチャットGPTの話題。なにをやったらよいか演目に迷うことがある。共演メンバーをあげて、どの演目をやったらよいか、チャットGPTに訊いてみたという。返答は「漫才をやったらどうか」。ちょっと違うと思うんだけど、ま、こんなものか。笑える。
落語協会は来春誕生100年を迎える。さまざまな企画を考えているという。楽しみだ。
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