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2023年5月 3日 (水)

うらやましい あやかりたい

 スポーツジムのロッカー。80を過ぎたとおもわれる老人二人がおしゃべりをしている。風呂あがりである。

「このごろ、運動すると疲れを感じるようになった。歳だね。もう走れん」

 そりゃそうだろうと聞き耳をたてていると、ふたりとも88歳だとわかった。アタシより一回りも上。疲れて当然。ふつうならジムとは無縁となり、杖か車いすの世話になっていてもおかしくない歳である。ひとりは炊事洗濯掃除でけっこう忙しいという。

 お元気でなにより。アタシなどその年齢まで生きられるかあやしい。生きていたとしても寝たきりかボケているかもしれない。

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 岡上(川崎の飛び地)でつきあいのあるお年寄りも元気な人が何人もいる。90過ぎても元気。頭もしっかりしている。年齢を感じさせるのは耳が遠くなったぐらいか。そのせいもあり、声が大きいというかハリがある。

 雑誌「波」(新潮社)に筒井康隆の不定期連載のエッセイがある。先月号までは「老耄美食日記」だったものが5月号からは「老耄倹約日記」にタイトルが変わっている。

  出かけては豪華ディナーの日々。一度に何万もつかう。流行作家なら金は余りあるだろうから散財できる。うらやましい。散財よりも驚くのは食欲である。年齢はスポーツジムでのご老人と同じ88歳。美食健啖にあきれる。

  でも、出費が度を過ぎているとちょっぴり反省。倹約することにしたという。タイトルは「倹約」にした。でも、さして倹約になっていないところが、ちょっと笑える。

 同じ「波」に阿川佐和子の連載エッセイがある。タイトルは「やっぱり残るは食欲」。残るは食欲か。食えなくなったらおしまいだ。

  元気の素は食欲なんだろうね。ジムのじいさんも。

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