鏡の中の自分
ふだん鏡を見て自分の姿を確認している。鏡に映った顔が自分の本当の顔だと思っている。
実際は、左右さかさまになっているのだが、それに気づかない。たとえば左にホクロがあったとすると、鏡では右になる。左手をあげれば、鏡では右手があがる。新聞紙を持って鏡に映せば、文字は反転して裏文字というか鏡文字になるのだが、ふだんはそんなことはしないから、左右逆転に気づかない。
ところがZOOMだと、自分の顔は鏡とは左右逆になる。ちょっと変。髪の分け目がいつも鏡で見るのとは反対になっている。ああ、そうか、これが人から見られているほんとうの姿なのだと気づく。右手をあげれば右手があがる。新聞の文字も正しく映る。
思い出したのが、忠臣蔵の七段目。鏡で手紙を読む有名なシーンがある。由良助が読む手紙を二階からお軽が鏡で映して読む。遠くの鏡文字など読めるはずがないのだけれど、お軽は読んでしまう。芝居だからね。
逆時計というか裏文字の時計を架けている理髪店がある。鏡を見ると正しい表示の時計になる。客からは便利だ。
写真は鏡に映した時計。時刻は2時15分。9時45分ではない。
ついでにひとこと
PFASによる汚染問題、それを描いた映画「ダーク・ウォーターズ」については少し前に書いた。その原作となる本が出版されている。『毒の水 PFAS汚染に立ち向かったある弁護士の20年』。毒の水か。ちょっと刺激的。
著者のロバート・ビロットは映画でも主人公となる弁護士である。ビロットの粘り強い取り組みがなければ、この汚染問題はずっと放置されていたかもしれない。
被害者の中には汚染水を流したデュポンで働く人や関係者が多くいる。こういう巨大企業と戦うには多大な困難がつきまとう。
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