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2023年7月15日 (土)

 さよなら赤富士

 国立演芸場7月中席に行ってきた。さよなら公演である。

 写真は演芸場の緞帳。北斎、富嶽三十六景のひとつ、赤富士である。みごとな緞帳で、他のどの劇場よりも印象に残る。これが見られなくなる。国立劇場再建後(6年後)にこの緞帳が使われるかどうかはわからない。これで見納めになるかもしれない。

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 今回の演者と演目(落語)

 柳亭市童    子ほめ

 柳亭こみち   妻の酒

 五明楼玉の輔 お菊の皿

 玉屋柳勢    紙屑や

 林家彦いち   反対俥

 柳亭市馬    佃祭

 前半は省いて、彦いちの「反対俥」。久しぶりに聴いた。この噺、動きが激しい。車夫が人力を元気よく走らせる。声をあげ、跳び跳ねる。ときに正座したまま空中浮揚する。若いうちはよいが、歳をとると激しい動作は無理。ベテランはやらない、というよりできない。彦いちは54歳。いい歳だ。そろそろ噺仕舞いになる。でも、60過ぎてもやるかもしれない。

 トリは市馬師匠。「佃祭」だった。この噺、ちょっといい短編小説のような味わいがある。佃島からの仕舞い船に乗るつもりが見知らぬ女性に引き留められ、帰れなくなる。かつて助けた女性だった。船には乗れなかった。これが幸いだった。仕舞い船が転覆してしまったことが知らされる。で、情けは人のためならずというオチとなる。

 この噺には与太郎が登場するのだが、それはないほうがよいと思っていた。詳しくは書かないが、与太郎のエピソードは蛇足。市馬はそれを省いた。それでよい。

 会場では、国立演芸場の閉館を記念した手ぬぐいを売っていた。例の緞帳をデザインしたもの。演芸場の思い出で(スーベニール)である。一本買った。何に使うわけではないけど。

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 ついでのひとこと

「佃祭」の後半。次郎兵衛さんは船に乗っていなかったが、店の方ではてっきり死んだものと思い、葬式の支度をする。通夜の最中、次郎兵衛さんが戻ってきたから、店は大騒ぎとなる。

 死んだと思われた人が帰ってくるという落語は他にもある。「小間物屋政談」がそう。こちらの方はすでに女将さんは再婚してしまっている。で、どうなるか。奉行所の粋な裁きとなる。

 誰々さんが死んだと聞いていたが、街で偶然その人に出会ったことがある。エッ、生きてたの! とびっくりした。死んだというのはガサネタだった。なんとかそこは取り繕ったが、これがその人の奥さんだったら、悔やみを言っていたかもしれない。

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