極楽の余り風
久しぶりに桂米朝のCDを聴いた。失われたことばについて語っている。
むかしはお年寄りが「極楽の余り風」とよく言っていたが、最近は聞かない。ええことばなのやに・・・。
暑い日、日陰に入ると涼しい風が吹いてくる。ああ、極楽や極楽や、というときにつかう。余り風という表現が、ありがたみ、自然に感謝する気持ちをあらわしている。庭に打ち水をしたような爽快さがある。こういうことばがなくなっていくのは惜しい。
それにしても酷暑が続く。温暖化どころか沸騰化と国連事務総長が表現していたが、まさにそれにあてはまる。
暑い日はビールだが、冷やした酒もいい。落語の「青菜」には「やなぎかげ」という酒がでてくる。なじみはないが、そういうブランドの酒もある。つくりかたは簡単。焼酎と味醂をブレンドさせる。キンキンに冷やして飲む。
やなぎかげは、柳の陰、木陰にいるような気分になるところから名付けられたのだろう。極楽からのお裾分けの冷酒である。
余り風ていどならよいが、冷えすぎの風が吹く場所が多くなった。劇場も喫茶店もクーラーをガンガン回している。節電など頭にない。半袖ではいられないほど。女性はすかさずカーデガンやショールを羽織ったりする。心得ている。男は我慢するしかない。
暑さもまもなく終わる。日も短くなっている。お彼岸まではまだ一月ほどあるが、アブラゼミの鳴き声もいくぶん弱まった。甲子園も数日前に終わった。
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