しんゆり寄席 トリは文菊
先だっての落語会で、一之輔が文菊のことを愛情を込めてエロ坊主と語っていた。もちろん冗談半分である。
その古今亭文菊が登場する「しんゆり寄席」に行ってきた。いつものように、いいとこの若旦那のような風情で登場する。艶っぽい。他の噺家がやればイヤミになるが、文菊はこれが持ち味であって、品のよさは隠せないといったスタイルで笑わせる。
ゆったり噺に入る。そこから次第にテンポをあげていき、ときに声を張り上げてメリハリをつける。そしてクスリと笑わせる。うまいものだ。
今回の演目は「猫の災難」。おなじみの酒飲みの噺である。演題に猫とあるが猫は登場しない。ついつい酒を勝手に飲んでしまって言い訳をする。タイの切り身がなくなったのは猫が獲っていったから、猫が一升瓶を倒して酒を流してしまったからと。
よく聴く噺だが、それぞれに持ち味がある。ゆったり大きく演じるのが文菊風である。権太楼が、10年もやれば誰だって落語はうまくなる、芸はそこからだ、といったようなことを語っている。文菊の芸はまさにそこから上に行っている。ほんとうにうまいものだと感心する。
文菊以外の今回の演者と演目
初音家左橋 船徳
桂米多朗 反対俥
米多朗は、交通安全をテーマにした落語会に招かれることが多いという。その落語会のあと、違反切符を切られたエピソードをおもしろおかしく語る。長めのマクラのあとは「反対俥」。激しく跳んだりするから若いうちしかできない。米多朗は50をすぎている。途中で、きつい! 反対俥を選んだのはまずかったと一息入れる。手ぬぐいをもっていなかったから汗もふけない。
手ぬぐいを手にしていなかったわけは省く。それにしても文菊の艶っぽい芸が光った。
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