「しんゆり映画祭」始まる
しんゆり映画祭が始まり、二日たった。
オープニングは「荒野に希望の灯をともす」。アフガニスタンでの医療活動や農業改革に尽力した中村哲さんを描いたドキュメンタリーである。チケット完売となった。幸先よい。
中村哲さんの活動についてはよく知られているから。ここで改めて紹介することもない。谷津監督(撮影も)は、21年にわたって中村さんをフィルムに収めてきた。延べ1000時間という。上映後のトークで谷津さんは語っている。
あらためてドキュメンタリーを観ると、その農業改革というか、潅漑用水路路づくりのすごさに驚かされる。砂漠を緑にかえる事業の大変さが伝わってくる。最初はほとんど手作業、江戸時代の河川工事を思わせる。
取水口の工事はうまくいかなかったが、ふるさとの筑後川の山田堰にヒントを得て成功させたそうだ。
映画では紹介されていないことをいくつか。
中村哲さんはオンとオフの切り替えがうまかったというか、はっきりしていた。作業中は眼光は鋭いリーダーであったが、オフとなるとヨレヨレのどこにでもいる気さくな爺さんだった。
好きなマンガは「クレヨンしんちゃん」。ときどき本開いてはニヤニヤしていた。
最近のアフガニスタン情勢について谷津監督は語った。
治安はまったくといっていいほど安定している。爆発音は聞こえない。農業従事者は安心してしごとができると喜んでいる。
日本ではタリバンによる男女差別、女性の就学制限などが伝えられているが、学校教育(男女別)はきちんと行われている。ただ先進国のような男女平等の教育となってはいない。それには時間がかかるだろう。じわりじわりとやるのが正解のように思うと谷津監督の談。
ついでのひとこと
写真は映画祭の会場となる川崎市アートセンター前。並木は紅葉しているが、例年に比べるとバッチイというか美しい紅葉ではない。猛暑だったせいか。