AIは、ヒトのこころが読めない。
藤井聡太が八冠を達成した。
その夜、スマホで棋譜を追いかけていた。しろうとには形勢はわからない。永瀬が入玉の余地を残している分、優位なのかもしれないと思っていた。藤井としては王を追うと同時に入玉を阻止しなければならない。
ここは5五銀が妥当な手だろうと思っていたら、藤井はその手を指した。わたしが思いつくような手だから好手かどうかはわからない。この段階でAⅠは永瀬の圧倒的優位を示していたということだ。すると永瀬は5三馬と王手をかけた。これが疑問。首を傾げた。AIも形勢逆転と判断したらしい。将棋には「王手は追う手」という格言がある。まさにそれ。王手が相手の王を逃がす手になってしまった。
しかしそれはAIの判断である。ヒトにはわからない。AIは的確な形勢判断はできるとしても、ヒトの心は読めない。5五銀が永瀬の判断をくるわせる手になった。入玉できないのではないかという焦りが悪手を生んだと言える。
「ほら、ここで間違うと、アンタは詰みだよ。よーく考えて次の手を打ってね」と手をわたされると焦って間違う。わたしはよくそれで負けた。プロもそうなんだ。
ということで八冠となった。すごいことだが、これを維持するのはこれまた難しい。現在、竜王戦も始まっている。これに負ければ7冠となる。年間、8回もタイトル戦があるわけだから、一年後、どうなっているかはわからない。
« 「アンダーカレント」 | トップページ | 『救い難き人』 »
「世事・世の中」カテゴリの記事
- 嘔吐と点眼(2025.02.07)
- まちがっているかもしれない(2025.01.20)
- どんど焼き(2025.01.18)
- 地下水道(2025.01.12)
- あけましておめでとうございます(2025.01.01)
コメント