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2023年10月12日 (木)

AIは、ヒトのこころが読めない。

 藤井聡太が八冠を達成した。

 その夜、スマホで棋譜を追いかけていた。しろうとには形勢はわからない。永瀬が入玉の余地を残している分、優位なのかもしれないと思っていた。藤井としては王を追うと同時に入玉を阻止しなければならない。

 ここは5五銀が妥当な手だろうと思っていたら、藤井はその手を指した。わたしが思いつくような手だから好手かどうかはわからない。この段階でAⅠは永瀬の圧倒的優位を示していたということだ。すると永瀬は5三馬と王手をかけた。これが疑問。首を傾げた。AIも形勢逆転と判断したらしい。将棋には「王手は追う手」という格言がある。まさにそれ。王手が相手の王を逃がす手になってしまった。

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しかしそれはAIの判断である。ヒトにはわからない。AIは的確な形勢判断はできるとしても、ヒトの心は読めない。5五銀が永瀬の判断をくるわせる手になった。入玉できないのではないかという焦りが悪手を生んだと言える。

「ほら、ここで間違うと、アンタは詰みだよ。よーく考えて次の手を打ってね」と手をわたされると焦って間違う。わたしはよくそれで負けた。プロもそうなんだ。

 ということで八冠となった。すごいことだが、これを維持するのはこれまた難しい。現在、竜王戦も始まっている。これに負ければ7冠となる。年間、8回もタイトル戦があるわけだから、一年後、どうなっているかはわからない。

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