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2024年2月23日 (金)

「サン・セバスチャンへ、ようこそ」

 ウディ・アレンは80過ぎても90近くになっても精力的に撮り続けている。出来不出来はともかくとして、歳を重ねるにつれ肩の力が抜けた軽妙な作風になっている。数年前に作った「女と男の観覧車」が気に入っている。ケイト・ウィンスレットの演技がすばらしかった。

 最新作は「サン・セバスチャンへ、ようこそ」。アートセンターで観てきた。不安定な夫婦関係がベースとなる、いかにもウディらしい作品に仕上がっている。

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 大学で映画を教えていたモート(ウォーレス・ショーン)は映画の広報をしている妻のスーとともにスペインのサン・セバスチャン映画祭にやってくる。スーは新進監督のフィリップに惹かれているようで、モートは気が気でない。心臓が痛いと病院に出かける。そこで診察を受けた魅力的な女医のジョーに心を奪われていく。なんとか仲良くしたいが、そう、うまくは行かない。 

 モートが見る夢はモノクロ。名画のパロディのような夢である。「81/2」「突然炎のごとく」「勝手にしやがれ」「男と女」「野いちご」・・・60年代あたりの名作である。私のような高齢の映画ファンなら、うきうきした気分になる。この夢のシーンだけでも観る価値がある。

 死神とチェスをするシーンがある。これは「第七の封印」。ここが笑える。死神は、野菜と果物をちゃんと食べ、適当な運動をせよと健康アドバイザーのような言葉を残し消えていく。笑いがこみあげてきたが、声を発するのは抑えた。

 とういうことで、高齢の映画ファンには堪えられない。時間をおいてまた観てみよう。DVDでもよい。

 それにしても、ニューヨークへのあこがれの気持ちがよく出ている映画である。ウディ・アレンが合衆国に立ち戻ればたちまち逮捕されてしまう。死ぬまでニューヨークに行くことはない。

 ついでのひとこと

 映像はなかったが、イナガキの「忠臣蔵」に言及するセリフがあった。イナガキとは稲垣浩監督。私は観ていない。ウディ・アレンは気に入っていたのだろう。

 

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