「ドッグマン」
「ドッグマン」
リュック・ベッソン監督の「DOGMAN ドッグマン」を観てきた。
ポスターに「レオンの衝撃から30年」とあった。ベッソンはあれからいくつもの映画を撮ってきた。いい作品もあったが駄作も多かった。今回の「ドッグマン」、「レオン」の上をいく傑作である。そう思うが、他の人の評価も聴いてみたい。
マリリンモンロー風に女装して血を流した男が検問で引っかかる。荷台にはたくさんの犬を積んでいた。警察は連行するが対応に戸惑う。黒人女性の精神科医が呼ばれ、その男ダグラスを尋問することになる。
彼は父親から虐待されていた。たくさんの犬がいる小屋に閉じこめられる。父親の暴力はすさまじい。ついには銃を発砲する。脊髄を損傷し、歩けなくなる。機会を見て犬とともに脱出する。仲間の犬に盗みをさせたりして金を稼ぎ、生き延びる。
こうした生い立ちが描かれる。悲惨な少年期であった。精神科医も同じような痛みを抱えており、二人の過去現在が映し出される。
ダグラスはドッグシェルターを営んでいたが、補助金が打ち切られる、キャバレーで働くことになる。女装して歌う。エディット・ピアフのモノマネ。これがすばらしい。「リリー・マルレーン」を歌う。デートリッヒの持ち歌だからデートリッヒのように歌う。ときにマリリン・モンローにもなる。冒頭の女装につながっている。
あらすじはこのぐらいにしておく。化粧が乱れた姿やおいたちは「ジョーカー」連想させる。容赦ないタッチで描くが、ときに叙情的になるのはベッソン風である。
ネタバレには踏み込まない。精神科医がなぜあなたはしゃべる気になったかと問うと、ダグラスは同じ痛みを抱えていると思ったからと返す。このあたりのやり取りが印象的。
犬が活躍する映画である。ベッソンファンで犬好きな人にとっては、カルトムービーになるかもしれない。
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