「いのちかけて」 朗読と歌
「いのちかけて」と題する朗読と歌のイベントに行ってきた。会場はアートセンターの小劇場(ミニシアターの隣)。
知里幸恵、金子みすゞ、金田千鶴の短歌や詩を曲にのせて歌うというコンサートである。内容を簡単に説明するのは難しい。三人の女性がどう生きてきたかを、華やかではなく静かな雰囲気で紹介する。麻生区を拠点とする「劇団わが町」と、長野県飯田周辺(金子千鶴の出身地)で活動する演劇集団「演劇辱」のメンバーが短歌や詩を歌った。
金子みすゞは知っているが、ほかの二人については知らなかった。三人は同世代である。明治35、6年に生まれ、昭和の初めごろ亡くなった。早い死であった。第一次大戦、スペイン風邪、関東大震災といった混乱があり、女性として生きにくい時代を生き、光輝いた。
ここでも紹介されたのだが、金子みすゞに「大漁」という短い詩がある。浜では鰯の大漁でお祭り騒ぎとなっているが、海の中では鰯たちが弔いをしているという詩。多くの人が知っている。鰯の視点にハッとさせられる。こういう複眼的というか多面的な見方に驚かされる。哲学者が難しい言葉で表すような内容を短く易しく表現する感性に感心する。こうした視点は他の詩にもみられる。
ということで、ほかの二人については知らないので、調べてみよう。読みたいというか読まなくっちゃという本が増えた。
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