明鏡止水
ひさびさに明鏡止水なることばを耳にした。
自民党の裏金問題で、世耕議員が離党勧告をうけ、すかさず離党届を出した。いまの心境を問われ、「明鏡止水」だと答えた。
なんとも古臭いことばだが国語辞典には載っている。「新明解国語辞典第八版」にはこうある。
心の平静を乱す何ものも無い、落ち着いた静かな心境。〔不明朗なうわさが有る高官などが。世間に対して弁明する時などによく使われる〕
よく使われるってことはないけれど、宇野さんが首相を辞める時も明鏡止水を使ったのを思い出す。心穏やかでないけれど(心の中ではいらだっているが)、平静を装う。 大人げないふるまいはできない。で、明鏡という表現になる。心境を察するに余りある。
振り返って、わが身。明鏡止水の心境からは程遠い。うるさい音に囲まれ、雑念が次から次へと涌いてくる。邪念も。
国語辞典に「明鏡国語辞典」がある。こちらは、何の邪念もなくうんぬんと普通の語釈。それでいいのだが、ちょっとものたりない気がしないでもない。
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