「関心領域」
イオンシネマで「関心領域」を観てきた。
冒頭、不気味な不協和音が流れる。映像は穏やかで、川の畔でピクニックをするシーンとなる。家族らしい。家に帰ると、女は庭の草花の手入れをする、子供たちは庭のプールではしゃぐ。家は広くて片づいている。セントラルヒーティングの設備も整っている。裕福な家である。
隣は高い塀の施設である。ときどき叫び声が聞こえる。
裕福な家庭の主がルドルフ・ヘスであることが明らかになる。ということは塀の向こう側がアウシュビッツ収容所だと観客は知ることになる。塀の中については映し出されないが、そこは地獄である。こちらの大きな家は天国といったところか。
ヘス所長に転勤の辞令がでる。収容所を統括する部署への栄転である。ところが妻は喜ばない。ここでの平穏な暮らしを手放したくない。猛反対する。ヘスは仕方なく単身赴任することになる。
収容所の中を描いた映画はたくさんあった。その外を描いたものはこれまでなかった。そこが新鮮、おもしろい。外にいる婦人にとって、塀の向こう側は無関心領域である。
不気味な不協和音は静かに流れる。ときおり大音響となる。
この映画からさまざまな連想がわく。不協和音が流れているが、ふだんは気づかない。耳をすませば聞こえてくるかもしれない。
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