野良グッピー
野良グッピーというネット記事を見つけた。
道路わきの溝で大量のグッピーが生息しているという。沖縄でのことだ。水槽で飼われていたグッピーを側溝に捨てたらしい。グッピーは熱帯魚だけど死なずに生き延びている。側溝を網ですくうと何十匹も獲れる。温暖化のせいだろう。多摩川にもグッピーが生息していると聞いたことがある。
温暖化はさておき、生息する魚を「野良グッピー」と表現するのに引っかかる。野良といえば野良ネコか野良イヌしか思い浮かばない。野良グッピーが普通の表現となれば、多摩川あたりで大量に舞う外来種のインコは野良インコとなる。千葉のキョンも野良キョンとなる。
国語辞典で「のら」を引いてみる。新明解国語辞典。意外なことに最初に出てくる語釈は、ノラ猫とかノラ犬の「のら」ではない。
定職が無く遊び暮らすだけで、社会的には歓迎されない状態(にある者)。
不逞の輩。こういう意味でつかうことはほとんどない。
のらは野良と漢字をあてる。もともとは畑、野原を意味した。野良仕事、野良着といった形で使う。その「のら」がおなじ発音である不逞の意味の「のら」と重なった、そう考えてよいのか。不逞ののらは「どら」と置き換えることができる。どら息子、ね。
野生化したグッピーを野良グッピーと表現するのには抵抗があったからちょっと調べてみただけのこと。外来種だといって騒ぎたてることはない。メダカを追いやっているとの話もあるが、さて、どうか。
狸や鳥のエサとなるから増えすぎることもなかろう。
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コメント
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人にノラといふのはめずらしいことではないと思います 大正生まれのウチの母親はよく使います でもたぶん黒澤明の「野良犬」では無く「ノラリクラリとした不甲斐ない態度」からきてると思います
投稿: | 2024年9月10日 (火) 21時01分